うちの猫は、キャリーを出しただけでベッドの下に逃げ込みます。
やっと連れ出しても、待合室で犬の声が聞こえるたびに固まってしまい、帰ってからも半日は出てきません。

はじめまして、ひたちなか市でペットと暮らしの記事を書いている小松崎由佳です。
地域情報誌の編集部に12年いて、水戸やひたちなかのお店や医院を取材してきました。
いまは10歳の柴犬と、保護猫2匹と暮らしています。

去年、柴犬が散歩の途中で後ろ足を気にするようになりました。
猫の通院のこともあり、それをきっかけに、かかりつけをこのままでいいのか考え直しました。

口コミサイトで数えると、水戸市内の動物病院は20件を超えます。
これだけあると、家から近い順に選ぶだけでは決めきれません。

この記事では、取材で身についた「確かめる癖」を使って、私が病院を見るときの5つのポイントをまとめました。
後半では、見和にある水戸動物病院を例に、実際に当てはめています。

最初に5つのポイントを一覧で

先に全体を表にしておきます。

ポイント確かめる方法
1. 無理なく通い続けられるか地図、診療時間表、お知らせ欄を見る
2. 検査の理由と費用の目安を先に話してもらえるか初診のときに質問してみる
3. 猫への配慮があるか認定の有無、来院時の案内を見る
4. 得意分野と、ほかの病院とのつながりが見えるか設備、症例、獣医師の経歴を読む
5. 夜や休日の行き先を決めてあるかかかりつけに聞く、夜間救急を調べる

どれも、病院のサイトを読むか、受付で一言聞けば確かめられるものです。

ポイント1 無理なく通い続けられるか

ワクチン、フィラリアの検査、年に一度か二度の健康診断。
病気をしていなくても、動物病院には毎年何度か足を運びます。
シニア期に入れば、通う回数はさらに増えます。

だから、最初に見るのは通いやすさです。
私が確認しているのは次の点です。

  • 車で何分か、駐車場は停めやすいか
  • 仕事帰りの時間に間に合うか
  • 予約が必要か、予約できるのはどんな用件か
  • 臨時休診をどこで知らせているか

最後の点は、見落としがちです。
手術の多い病院は、午後の診療を急に短くすることがあります。
サイトのお知らせ欄やLINEで告知している病院なら、出かける前に確認できます。

犬の飼い主は、注射済票をその場で受け取れるかも確認

犬を飼っているなら、もう一つ見ておきたいことがあります。

水戸市の犬の登録と狂犬病予防注射のページによると、狂犬病予防法により、犬の登録は生涯に1度、予防注射は毎年1回受けさせることが義務になっています。
市の集合注射は4月から5月ですが、動物病院なら1年を通して注射を受けられます。

気をつけたいのは、注射済票の受け取り方です。
市内の一部の動物病院では、注射と同時に済票を交付してもらえます。
それ以外の病院で受けた場合は、動物病院で発行される注射済証とハガキを持って、水戸市動物愛護センターへ行く必要があります。

毎年のことなので、この手間が一つ減るだけでもずいぶん楽になります。
対応している病院の一覧は、市のページからPDFで見られます。

ポイント2 検査の理由と費用の目安を、先に話してもらえるか

通い始めてから「こんなはずじゃなかった」となりやすいのが、説明と費用です。

日本獣医師会が定めている「小動物医療の指針」には、インフォームド・コンセントの項目があります。
そこでは、獣医師が事前に説明する内容として、次の4つが挙げられています。

説明する内容指針に書かれていること(要約)
病状どんな病気か、またはその疑いがあるか
検査や診療の方針と選択肢検査が必要な理由、治療の方法と予想される結果、選択肢がある場合はそれぞれの内容
予後今後の見通し、家で気をつけること、すぐ連絡すべき異変
診療料金予測できる範囲で具体的な金額を示す。難しい場合はおおよその金額を示す

つまり、費用の目安を聞くのは失礼なことではありません。
説明の場で自然に出てくるはずの話です。

とはいえ、診察室で緊張して聞きそびれることもあります。
私はスマホのメモに、次のような質問を書いてから行くようにしています。

  • この検査で何がわかりますか
  • 検査をしないで様子を見る場合、どんなリスクがありますか
  • 治療の方法はほかにもありますか
  • 今日の費用は、だいたいどのくらいになりそうですか
  • 家で様子を見るとき、どうなったらすぐに連絡すればいいですか

初診でこうした質問をしてみると、その病院の説明の仕方がよくわかります。
答えに詰まらず、こちらの理解に合わせて言葉を選んでくれる病院なら、長く相談しやすいと感じています。

ポイント3 猫を連れていくなら、猫への配慮があるか

猫と暮らしている人に知ってほしいのが、「キャット・フレンドリー・クリニック」という認定です。
猫にやさしい動物病院であることを示す国際的な認定で、英国のInternational Cat Careが審査しています。
日本では、ねこ医学会(JSFM)が普及に取り組んでいます。

ねこ医学会の「CFC取得病院紹介」によると、2026年6月現在、国内の認定病院はゴールド178病院、シルバー60病院、ブロンズ3病院です。
認定を続けるには、3年ごとの更新が必要です。

International Cat Careが公開している基本基準(日本語版)を読むと、求められている内容がかなり具体的でした。

  • 待合室で犬と猫が直接目を合わせないようにする(猫専用の待合室か、猫専用の予約時間)
  • 待合室では、キャリーに入れた猫を床より高い位置に置けるようにする
  • 定期的な診察では、最低でも10分間を確保する
  • 首の後ろをつかむような保定はしない
  • 獣医師と動物看護師は、年間3時間以上、猫の専門教育を受ける

認定がない病院でも、猫に慣れているところはたくさんあります。
その場合は、サイトに「キャリーに入れて来てください」「怒る子は洗濯ネットに」といった来院時の案内があるかを見ています。
猫の連れて行き方まで書いてある病院は、猫の飼い主が困る場面をよく知っているのだと思います。

ポイント4 得意分野と、ほかの病院とのつながりが見えるか

柴犬の足のことで病院を探したとき、サイトに「整形外科」と書いてある病院がいくつも見つかりました。
ただ、書き方は病院ごとにまちまちです。

ここで知っておきたいのが、動物病院の広告に関するルールです。
農林水産省の「獣医療広告制限見直しについて」によると、令和6年4月1日から、獣医療の広告で伝えられる内容が広がりました。
獣医師の経歴や、診療の内容を広告できるようになっています。

一方で、次のような広告は引き続き禁止されています。

  • 飼い主の主観にもとづく、治療内容や効果の体験談
  • 誤解を招くおそれのある、治療前と治療後の写真
  • ほかの病院と比べる広告や、大げさな広告
  • 費用を強調する広告

獣医師の「専門性」を広告できるのも、農林水産大臣が指定した団体の認定を受けている場合に限られます。
病院のサイトに「地域No.1」のような言葉や飼い主の体験談が少ないのは、こうした決まりがあるからです。

そのぶん、私は次のような事実の部分を読むようにしています。

  • どんな検査機器や手術設備があるか
  • 症例紹介に、どんな病気の治療例が載っているか
  • 獣医師がどこで経験を積み、どの学会に所属しているか

もう一つ大事なのが、ほかの病院とのつながりです。
先ほどの日本獣医師会の指針では、対応が難しい症例に出会ったとき、獣医師は飼い主の希望を聞いたうえで、対応できる獣医師や病院を紹介しなければならないとしています。

かかりつけ一つですべてを診てもらう必要はありません。
「ほかの病院から紹介を受けている」「大きな病院へ紹介してくれる」という関係が見える病院は、いざというときの選択肢も広がります。

ポイント5 夜や休日に困ったときの行き先を決めてあるか

最後は、診療時間外のことです。

日本獣医師会の同じ指針には、手術の後など緊急の医療が必要になりそうなときは、連絡方法や診療できる時間を前もって飼い主に伝えておくよう配慮する、という趣旨の記述があります。
International Cat Careの基準にも、営業時間外に緊急の医療を受ける方法を飼い主に知らせておくことが含まれています。

水戸周辺では、2025年1月から、水戸市笠原町の動物病院ハートランド内に「水戸夜間動物救急センター」ができました。
診療は20時から深夜2時30分まで、対象は犬と猫で、来院前に必ず電話をする決まりです。
休診日もあるので、使う前には公式サイトで予定を確認してください。

いちばん安心なのは、元気なうちにかかりつけで「夜に具合が悪くなったら、どこへ行けばいいですか」と聞いておくことです。
夜間の病院で診てもらったあと、翌朝かかりつけに引き継ぐ流れまで確認しておくと、慌てずにすみます。

5つのポイントで水戸動物病院を見てみると

ここまでのポイントを、水戸市見和3丁目にある水戸動物病院に当てはめてみました。
昭和49年に開院し、平成17年に犬猫専門病院として改修した病院です。
以下は、すべて公式サイトなどで公開されている情報をもとにしています。

ポイント水戸動物病院の公開情報
1. 通いやすさ病院の横と前が駐車場で、向かいにも大型駐車場あり。JR赤塚駅南口から徒歩約12分。月〜土の8時45分〜11時30分と16時〜18時30分(土曜は18時まで)が診療時間で、木曜午前・日曜・祝日が休診。初診は予約なしで来院できる
2. 説明「検査が必要な場合は、その必要性について説明」し、治療方針は「飼い主様のご希望を確認しながら一緒に考えていきます」と明記
3. 猫への配慮ねこ医学会のCFC取得病院紹介にシルバーとして掲載。待合室にフェロモン拡散キットを置き、持参した毛布にフェロモンスプレーをかけてくれる
4. 得意分野とつながり整形外科と再生医療(幹細胞療法)に力を入れ、症例紹介も掲載。外科や整形外科などで、他院からの紹介も受けている
5. 夜間・休日サイトに夜間診療の案内はない。臨時休診の日もスタッフが院内にいて、継続の点滴や薬・フードの受け渡しに対応していると告知している

ひたちなか市に住む私が目を留めたのは、ひたちなか市方面からのアクセス案内まで用意されていることです。
勝田駅から赤塚駅までは電車で2駅で、「ひたちなか市方面にお住まいの方からも多くのご来院」があると書かれています。

犬の飼い主にとっては、水戸市が公開している「注射済票を交付できる動物病院一覧」に載っている点も便利です。
薬やフード、混合ワクチン、狂犬病ワクチン、季節の健診は来院予約ができるので、待ち時間を減らせます。
アニコムとアイペットのペット保険なら、保険証を持っていけば窓口で精算できます。

手術や検査が多い病院なので、午後の診療時間が変わるお知らせもよく出ています。
出かける前には、水戸動物病院の公式サイトにある診療時間やお知らせを確認しておくと確実です。
夜間の備えとしては、ポイント5で紹介した夜間救急の情報をあわせて控えておくと安心です。

まとめ

水戸市で動物病院を選ぶとき、私が見ているのは次の5つです。

  • 駐車場や診療時間、予約の仕組みを含めて、無理なく通い続けられるか
  • 検査の理由と費用の目安を、先に話してもらえるか
  • 猫を連れていくなら、猫への配慮があるか
  • 得意分野と、ほかの病院とのつながりが見えるか
  • 夜や休日に困ったときの行き先を決めてあるか

うちの柴犬の足は、幸い大ごとにはなりませんでした。
それでも、あのとき病院を調べ直したおかげで、何かあったときにどこへ相談すればいいかがはっきりしました。

具合が悪くなってから探すより、元気なうちに候補を絞っておくほうが、飼い主も落ち着いて判断できます。
この5つのポイントが、水戸周辺でかかりつけを探す方の参考になればうれしいです。